
いよいよフェスサイトについて考えていきたいと思う。
フェスというと『夏』なイメージがあるが、それは間違いではない。ほとんどのフェスは夏に行われているし、夏フェスという言葉もあるくらいだ。
しかし、フェスは開催が夏だとしても、フェスの話や情報は1年中行き交っている。開催期間が夏だとしても、夏前、夏以後もフェスは終わらないのだ。期間限定ではなく、フェスはずっと続いているものである。
例えば、今年のサマーソニックは去年12月24日クリスマス・イブに2011年開催を発表し、早くもヘッドライナーを発表した。フェスが終わってから4ヶ月である。
しかも、同時にプレサイトもオープンし、私も含めたリピーター並びに音楽ファンは各ソーシャルメディアで一喜一憂していた。合わせて日本のフェスの代名詞であるフジロックフェスティバルも毎年年明けに開催を発表し、3月に第一弾アーティストが発表される。
フェスサイトのようにアーティストが発表されるたびにユーザがサイトに集中し定期的にtwitterなどで拡散がされるサイト及びコンテンツも珍しい。それだけユーザは今か今かと待ちわびて、リアルで、ソーシャルメディア上で語り合い、発表されるやいなや爆発的に拡散する。
また、フェス中もハッシュタグなどを用いて参加者が定期的につぶやいたり、写真をアップしたりすることで、フェスを作り上げている。フェス開催に至るまでできることはたくさんある。
そういった中でtwitterなどのリアルタイムなソーシャルメディアはアーティスト発表などには最もハマる。そのような特性を持つフェスサイトは大きな可能性を秘めていると思う。
そんなソーシャル時代のフェスサイトとはどうなるべきか。
誰かが言ったこんな言葉がある。
『フェス後半年間は余韻に浸り、フェス前、半年間は期待に胸を踊らせる。フェスは1年間ずっと続いている』
私はこれにこう付け加えたい。
『フェス後半年間は余韻に浸り、フェス中はその場に参加不参加問わず目撃し、フェス前、半年間は期待に胸を踊らせる。フェスは1年間ずっと続いている。ソーシャルメディア上で』
重要なのはフェスサイトやソーシャルメディアを通していかに『1年間持続したつながり』を構築できるかだ。そのつながりとはフェス自体であり、ユーザとアーティストであり、ユーザとユーザである。
フェスサイトは『1年間継続したつながり』を構築できるサイトになるべきで、合わせてソーシャルメディアが中心となってフェス前、中、後をつなげ、インタレストグラフもソーシャルグラフも飲み込んだコンテキストを創りだす。
つまり、ソーシャル時代のフェスサイトの在り方として
フェス前
- 各ソーシャルメディアを用いて情報発信、情報交流
- 音楽サービスへの提供
- 各ソーシャルメディア、各音楽サービスの認知
- 音楽、映像のタッチポイントの増加
- ユーザの語り合う場の提供(フォーラム、もしくはmixiやfacebookのページ)
フェス中
- ustream、youtubeなどで生放送及びすぐさまアーカイブを放映
先日、アメリカで行われたコーチェラフェスティバルはまさしく私の考えるソーシャル時代のフェスサイトの在り方だった。それはまた詳しく書こうと思う。 - 参加者の想いの共有、拡散
- インタレストグラフからソーシャルグラフへの移行
フェス後
- ユーザが余韻から共有、共感されるコンテンツの発信
- ユーザの語り合う場の提供(フォーラム、もしくはmixiやfacebookのページ)
- インタレストグラフからソーシャルグラフへ変異したキズナの醸成
フェスサイトはソーシャルメディアと連動することで1年間活発な活動が見込めるサイトである。
そこには音楽だけでなく、食べ物や衣服、現地の情報など多岐に渡る情報交流が生まれ、多様なコンテンツが生まれている。
音楽だけではないエンターテイメントターミナル。
いわばアーティストサイトがソーシャルターミナルであるならばフェスサイトは音楽を主体とした多種多様な要素で構成される
モールのようなものだ。
フェス前、フェス中、フェス後と段階に分けて使い方を変える。
『共有と共感』をフェス前で。『共感と共鳴』をフェス中で、『共有と共感』をまたフェス後で。
ソーシャル時代のフェスサイトは多大なる可能性を秘めていると私は思っている。
みなさまの意見を聞かせてください。