フェスアプリの今と今後の可能性

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いよいよあと2週間ほどでフジロックが始まる。
フジロッカーの皆様はウキウキワクワクして準備を始めている頃ではないだろうか。

一昨年あたりからフェス用のアプリが出てきて、フェス空間を楽しむ方法にも変化が生まれてきている。今回はフェスアプリの可能性について考えてみたい。

いくつか調べてみて感じたことは、日本の多くのフェスアプリが『個人個人が単独で使用する』アプリになってしまっていることだ。いくつか見てみよう。

FUJIROCK

fujirokck.jpgのサムネール画像フジロックフェスティバル 2011 非公式 タイムテーブルアプリ。

電波がないところでも会場内でも快適にタイムテーブルを確認できるアプリである。特にフジロックは急に雨が降ったり、電波が届かないところもあり、重宝しそうだ。ただ、『広がる、つながる』方法はないので、あくまで個々人がそれぞれ使用する。

SUMMERSONIC

summersonic.jpg最新のフェス情報や、ラインナップ、タイムテーブル等をチェックできる。ベーシックな内容を盛りこみ、あれば便利。

METAMORPHOSE

metamo.jpg去年のアプリだが、出演アーティストの詳細、出演ステージ、最新ニュース、マップ、タイムテーブル、アクセス情報などのベーシックな内容に加えて、当日会場内でiPhoneスペシャルとして、一昨年に引き続きフェスティバル会場内各場所で、カメラでのぞいて隠された音源をGetする「Track Getter Game」というものを実施。

さらに去年は、LUNAR会場内のローカル限定Wi-FiにiPhoneをつなぐと、LUNAR会場のステージからの映像中継を受信できる「LUNAR CAMERA」などといった現地に行くからこそ楽しめる仕組みのアプリだ。今年はどうなるのだろう?

Glastonbury

glasatonbury.jpg基本的なフェス情報は抑えながら、各タイムテーブルで見たいアーティストをfacebook上でシェアしたり、いま自分がいる場所を知らせたりできるソーシャルメディアをうまく使ったアプリになっている。Coachellaも同じようなアプリになっている。

これから見ても、以前書いた『海外フェスにみるフェスサイトの未来』のように日本フェスは圧倒的にソーシャルネットワークを意識した仕組みになっていない。

そんな中、日本のフェスでも面白いフェスアプリが登場したのでご紹介。

NANO-MUGEN FES

kimitsuna.jpg7月16日(土)、17日(日)の2日間にわたって横浜アリーナで行われるASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェスティバル『NANO-MUGEN FES.2011』。このフェスのiPhone公式アプリ「NANO app(ナノアプリ)」だ。

これがなかなか興味深いフェスアプリで以下のような機能が搭載されている。

・フェスの速報・入場規制ブロック・各種情報が見れる
・自分のプロフィールや好きなアーティスト&ソング、コメントなどを登録できる
・自分がいる場所から距離やログイン順で趣味があう人を探せる
・お友達同士の連絡ツールとしても使用できる
・相手のお薦めする曲をYoutubeで試聴できる
・友達になった人をお気に入りに入れられる

入場規制ブロックなどはフェス空間にいる参加者には是非とも価値ある機能だ。ベーシック機能にありそうでなかったもので、こういう参加者目線の機能は素晴らしい。また、『君繋』というコミュケーションツールが興味深い。

この『君繋』はLIST→PHOTO→PICK UPの流れで自分のいる場所から距離とログイン順でリスト表示し、プロフィール写真で君繋リストを表示、そして自分と趣味の合いそうな人をランダム表示してくれる。

これの面白いところは事前にフェス前にインタレストグラフだった人ではなく、まさしくその瞬間に音楽趣味が近い人をつなげる機能だということ。そのようなwebサービスはすでにあるが、フェスアプリ単独でこれを作ったのが面白い。

contact.jpgその他、自分の好きなプロフィールや好きなアーティストや歌を登録できる(My Page)友人同士の連絡ツールとしても使える(Contact)、気になるユーザがおすすめする曲をyoutubeで試聴できる(My Song)とにかくいたれり尽くせりだ。

しかも、ケータイユーザにも提供される予定だ。

このようなアプリが出てくる上で考えるのは、そのフェスだけのプラットフォームを構築したほうがいいのか、facebookやtwitterなどのプラットフォームを利用したほうがいいかという点だ。

これは欧米と日本では全く違った形になる。
欧米ではfacebookなどのプラットフォームを利用人口からも利用したほうがいいはずだ。一方、日本だと現状フェスだけのプラットフォームを構築している印象だ。

どちらも一長一短あるので、一概にどちらによる必要はまだないと思うがフェス空間にいる人同士をつなげ、フェス空間にいない人にも伝える方法を
実現させるには、『両方』利用するのがいちばん望ましいのかもしれない。

フェス空間内では独自のプラットフォームを用いて、それを外へ広げるためにmixi、twitter、facebookなどのソーシャルネットワークを活用する。そんなアプリがあったら素敵だなと個人的には思う。

但し、充電という如何ともしがたい問題があるのも事実。当然、フェス中はそのアプリだけいじっているわけではない。

そういう意味では充電というのは大きなボトルネックになっているのがなんとも寂しい部分ではあるが、Apple含め頑張ってほしいところである。

NANO-MUGEN FESは今日からですね。参加される方は是非、「NANO app(ナノアプリ)」を使って楽しんでみてください。


こちらの記事はTMHブログポータルの方にも転載いただいております。このブログは個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。