音楽・エンタメにおけるmixiページの使い方

mixiページが始まって約2ヶ月が過ぎた。
アクセス解析もできるようになり、mixiページへの考察というものも増えてきた。

今回は音楽やエンタメにおけるmixiページについて考えてみたい。

mixiページはマーケティングに使えるか?

結論からいうと「これからに期待」という枕詞はありながらも十分に可能性があると個人的には思っている。

まずfacebookページとの比較がよくされる。
mixiページがマーケティングに適さない理由としては以下の2点が挙げられる。
①mixiページはランキング上位が企業ではなく、芸能人・ゲームばかり
②企業のmixiページのファン数はフェイスブックよりも少ない
(via mixiページは企業のマーケティングに使える?

この手の記事はmixiページ否定派と肯定派にわかれるわけだが、先に挙げた2点は否定派の中でもよく言われることだろう。

まず第一にこのブログでも指摘されているとおり、実はfacebookページだって、企業ページよりも音楽やエンタメのページのほうがファン数が多い。

image_thumb1.png
image_thumb2.png

そして、次に開始されて2ヶ月かぎりの状況を見るかぎり、ファン数の伸びという部分ではfacebookページよりmixiページのほうが伸びているというデータがある。

日本でユーザから始まったmixiとマーケティングという観点から始まったfacebookではそもそも日本での広がり方、使われ方が違うのだから、そこを同じレイヤーで議論してもしょうがない。

image_thumb3.pngのサムネール画像
facebookでおすすめ機能を導入してから、大きく増えたように今後mixiページも
改修や改善を進めていくことで、大いに可能性はあると思っている。

オープンなファンクラブという概念

ことmixiページにおける音楽やエンタメの使い方はどのような方法があるだろうか。
私はmixiページはタイトルにもあるとおりオープンなファンクラブのような立ち位置を築いていければいいのではないかなあと考えている。

ファンクラブというのは本来コアなファン向けのもので、
コアなファン向けに情報を提供したり、コミュニケーションを図るものだ。

しかし、このmixiページの場合はクローズドではなく、オープンなファンクラブという
コンセプトでページを開設し、ユーザとコミュニケーションを取ることで見えてくる新しいファンとのつながりが生まれる。

ただ、簡単にオープンなファンクラブにすればいいというわけではない。
どこまでをオープンにし、誰をターゲットにし、公式サイトとの差別化をどうするのかという視点を持つ必要がある。

そのためには、mixiページの機能とできること、できないことを理解し、mixiページで何を目的にするのかを明確にしなければならない。

facebookページも同様だが、mixiページを作ることが目的なのではなく、mixiページを作って、何を成し遂げたいのかということだ。

mixiページは使えない。そういう人はどこまで考えているだろうか。
facebookページとmixiページの役割は違う。
それはつまり、facebookページとmixiページでできることは違うということだ。
facebookでmixiの代替をできるわけではないし、mixiがfacebookを代替できるわけではない。
選択と組み合わせ。

潜在層から広げるか、コアファンから広げるか

アーティストなどがmixiページを作る場合に考えていかなければならない点はまずここだ。
mixiに存在する層にそもそも自分たちは合致しているのか。そして、合致した場合、どのターゲットに照準を定めるかという点にある。

mixigraph2.pngのサムネール画像

mixiページ自体の機能や流入方法はmixiもどんどん改修、改善して頂く前提で、ターゲットをどこに設定し、どのようにそのアーティストに対してのエンゲージメントを高めていくことができるかを考えていかねばならない。

例えば、mixiページ第一位の西野カナで考えてみよう。
まず、西野カナのターゲット層はmixiがいちばんハマっているといえる。

では、次に潜在層から広げるか、コアファンから広げていくかを考えていかねばならない。西野カナのコミュニティは現在約9万人。一方、mixiページは約10万人だ。

nishikana.png

西野カナのコミュニティで活発にコミュニケーションしているユーザというのは西野カナのコアファンが多いと推測する。仮にその層をターゲットとしたならばmixiページのコンテンツ(タブ)はコアなファン向けのほうがいい。

新着以外にもコアなファンがより西野カナを自分の中で『特別な位置』になるように設計する。そこでかわされるコミュニケーションはオープンなファンクラブでありながら、非常に内容含めて濃度が濃いものになるといい。

しかし、このやり方だと非常にライトなファンが加わりにくい危険性も潜んでいる。けれど、この施策の場合コアファンがエヴァンジェリストとなり、自身の強いソーシャルグラフからライトなファンを巻き込んでいく可能性が期待される。

では、一方潜在層をターゲットにした場合はコンテンツ(タブ)もコアなファン向けというよりもライトなファンが楽しむような内容にするといい。

西野カナでいえば、聴いたことがないやたまに聴く程度のユーザに対して潜在、ライトなファンをミドル、コアファンへと醸成していくやり方だ。

こうすることで裾野を広げ、より濃度の濃いコミュニケーションを行いたい場合はコミュニティへ移行していく方法で、ビギナー向けの位置づけだ。今後、mixiページはコミュニティとの連携もぜひとも強化してほしいと思っている。

また、アーティストないし企業のmixiページを立ち上げる際、それがmixiにいるユーザの中で必要とされているかを考える必要がある。

西野カナのmixiページがいいのか、ソニー・ミュージックのmixiページがいいのか。
きちんとmixiの中にいるユーザのニーズを捉えて設計することも大事だと思う。

潜在層、ライトなファンを広げる、コアなファンから広げていくにしても、mixiの利用デバイスを考えると携帯からのアクセスが非常に多いことから公式サイトのコンテンツや既存のファンクラブ限定のコンテンツを移管するよりも、一部の機能を移管するほうが適しているといえる。特に潜在層、ライトなファンをターゲットにした場合は。

mixiページの可能性

企業のマーケティングというよりも今回は音楽やエンタメに主軸をおいて考えてみた。
なので、企業のmixiページであればまた考え方は違ってくるだろう。

ただ、どちらにしてもfacebookページとmixiページを現時点で混同することは勿体無い。mixiだからできることはたくさんある。それはコミュニティとの連携やソーシャルバナーやソーシャルラジオといった企画類も同様だ。

もちろん、mixiページ自体にもまだまだ機能追加などを期待したい。
今のままで完成形ではないはずだ。

例えば、今のmixiページではあまり「会話」というのは少ない。
mixiページオーナーが投稿したものに対して、フォロワーが「会話」ではなく「感想」を書きこんでいく。それだとオーナーとユーザ、ユーザとユーザの中で活性化しづらい。そこはオーナーのコミュニケーション設計やmixiページの機能追加が増えていくといいなあと思っている。

また、肖像権や著作権無視のmixiページやコミュニティとの差別化がうまくできていない状況も事実。
いかに信頼の担保がされ、ユーザにとって価値あるページにできるかもあわせて今後に期待だ。

mixiページにはまだまだ大きな可能性を秘めている。
それはmixi単独ではなく、それを使う私達もその可能性を広げる重要な役割を担っている。そんな風に私は思います。

参考)
結論でました・・mixiページは企業にとって全く意味なし
mixiページは企業のマーケティングに使える?


【告知】12月8日私、高野修平がセミナーに登壇します。New Communication Seminar 2011「デジタメ!!」です。私なんぞはどうでもいいですが、その他の方々が素晴らしいのでこの機会に是非!事前申込制で無料です。よろしくお願いいたします。


こちらの記事はTMHブログポータルの方にも転載いただいております。このブログは個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。