デジタルでアナログの温度を伝える共創コミュニケーションデザイン

THE NOVEMBERSが4月2日から全国クアトロツアーを始めます
それにあたり今の時代ならではのスピード感とオープン性で決まった企画がありました。

『Handwriting of beauty』と題されたこの企画は、クアトロツアーにおいて
ファンの方々から「Instagram」で「手書き」のリクエストを募集する企画です

もともとは、フロントマンの小林祐介とマネージャーの舐太(なめた)と僕がTwitter上で公開リプライをやっているところが発端でした。

◆企画を見える化して、ファンと一緒に過程を見守る

始まりは、マネージャー舐太がつぶやいたことがきっかけでした。

 

そこにフロントマンの小林祐介が絡んで、

 

と投げかけました。そこに舐太が

とツイート。さらに小林祐介が以下のようにツイートしました。

そこで僕がどうせリクエスト募集するなら、ただ数値を集計するだけではない意義をということで、

とツイートします。そこで、一気に3名で緊急会議なるものが始まりました。この一連のやりとりは当然ファンの方も見れる状況で行われていました。そこで一気に3人で企画概要を詰めていきました。

すでにファンの方々はリクエストをリプライで頂いておりましたが、そこも含む形で以下のようなツイートを公開しました。

◆音の無い場所で音楽にまつわるコミュニケーション

THE NOVEMBERSには公式Instgramアカウントを持っていません。しかし、もともととある目的を持って始めようとは思っていたので、今回の施策を機に始めることにしました。当然、Instagramアカウントを持っていないファンの方もいるので、そこに対しては申し訳ないという思いもありました。同時に手書きというのはただ投稿するよりも圧倒的にハードルも上がるわけですし。

小林祐介はここに関して、こんなことを言っています。

募集要項としては、Instagramで聴きたい楽曲を手書きで投稿し、それぞれ#thenovembers東京、#thenovembers大阪、#thenovembers名古屋、#thenovembers広島とタグ付けしてもらうことを条件にお願いしました。期限は3月21日(土)PM23:00まで。同時にTHE NOVEMBERSのInstagramアカウントも開設しました。

この企画『Handwriting of beauty』に関して、小林祐介がとても素晴らしいコメントを掲載してくれたので、ここでも転載しようと思います。

この度、僕たちは『Handwriting of beauty』という試みを行います。
4月から始まるクアトロツアーに向けて、演奏曲のリクエストをInstagramで募る企画です。
“手書き”で。
THE NOVEMBERSは今年で結成10周年を迎え、ある程度の数の作品を発表してきました。当然、なかなか演奏する機会の訪れない曲が増えていきます。そんな中、友人がTwitterで「keep me keep me keep meが聴きたい」と言ってくれました。個人的に思い入れのある曲だったので、なんだか嬉しかったです。
ふと、今回のツアーはアルバムのリリースツアーではないので、最近演奏していなかった曲をやるいい機会かもしれないと思い立ちました。
“思い入れのある曲”というものは、どこまでも個人的なものだと思います。THE NOVEMBERSの何かしかの曲が、誰かにそう思われているとしたら、それはなんて幸せなことだろう。
それぞれのエピソードがあり、それぞれの好きなポイントがあり、それぞれの感性のふるえ方がある。
だからこそ、ただ単にリクエストを募り、その数字を集計するだけではなく、“思い入れのある曲”とリスナーの間にある情緒のようなものを表現できたら素敵だなと思い、今回このような企画を行う事にしました。
手で書いた文字や絵には、その人の人柄や人格が出ます。
THE NOVEMBERSの楽曲をきっかけに、音の無い場所で音楽にまつわるコミュニケーションが出来る事、そしてそれが元になって、お互いさらにクアトロのライブが楽しみになるという事、『Handwriting of beauty』という名前にはそんな想いを込めました。(ちなみに英語の文法的にはおかしいらしいのですが、僕にも柴田恭兵氏にも、関係ないね。むしろ気に入ってるから。)

 

◆ファンが描く多種多様なTHE NOVEMBERSの世界

実際に募集を始めると、僕らチームMERZの想像を超える世界がありました。僕らはてっきり「紙に手書きだけ」のものを想像していたのに対して、ファンの皆さんは自分が感じるTHE NOVEMBERSの世界を表現してくれた上でのリクエストとなっていました。以下は一部抜粋ですが、このような投稿以外にも本当に素晴らしい投稿が無数にありました

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小林祐介のメッセージにある通り、「ただ単にリクエストを募り、その数字を集計するだけではなく、“思い入れのある曲”とリスナーの間にある情緒のようなものを表現できたら」という想いを見事に可視化させる手書きのリクエストが各公演ごとに集まっていました

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シンプルにノートに楽曲を書いたり、イラストを描いてくれたり、少しひねったクリエイティブあふれる投稿など、それぞれひとつひとつがまさに『Handwriting of beauty』として完成されていました。そこにはデジタルでは表現できないアナログならではの「温度」があり、ファンの皆さんが想うTHE NOVEMBERSへの愛がたくさん溢れていました

このようにアナログだからこそ、伝わる「気持ち」や「温度」があります。デジタルは簡素なイメージを持つときも多いですが、アナログならではの表現をデジタルを通して、拡張することができます

Twitterのリプライで募集するのは、集計側も投稿側も簡単ですが、そこにはあまり「温度」が伝わりません。一手間かかりますが、画像と言葉を一緒に投稿することで、バンド側でも非常に心が動くことになりました。そして、なにより音楽がファンと一緒に生きていくものということを改めて感じさせられたように思います。

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貴重な時間の中でTHE NOVEMBERSのために割いてくれた手間と労力。これはある意味、お金に代えがたいものだと思います。アルバム「Rhapsody in beauty」に際に実施したデジタル配信された「選択対価形態」リリース時を彷彿とさせるものがあります。あのときもファンの皆さんそれぞれのパラレルジャケットが数千枚も作成されました。

今回、すべてをリクエストとして反映できるかわかりませんが、少なくとも『Handwriting of beauty』に参加してくれたすべての投稿はバンドに届きました

同時にファン同士もそれぞれの投稿を閲覧することができ、「こんな凝ったリクエストがある」「かわいい投稿発見」などファン同士の中でもコミュニケーションは発生したことは興味深いことです。

得てして、ライブというと、バンド対ファンという1:Nの構図になりがちですが、N:Nというファン同士で生まれるコミュニケーションはTHE NOVEMBERSというバンドの魅力をより再発見することできますし、ある意味、共創という側面においても音楽が機能することをファンの皆さんから教えていただきました

「温度」が伝わるコミュニケーションはアナログとデジタルを掛け合わせることで、一層輝きを生むような気がしました。

THE NOVEMBERSは4月2日からクアトロツアーが始まります。機会があればぜひ、見てあげてください。

QUATTRO TOURS – A Decade Of Beauty –

15/4/2(木)名古屋CLUB QUATTRO
15/4/4(土)梅田CLUB QUATTRO
15/4/6(月)広島CLUB QUATTRO
15/4/9(木)渋谷CLUB QUATTRO
15/4/10(金)渋谷CLUB QUATTRO 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。