夏フェスの熱量はソーシャルメディアでいつまで維持されるのか:フジロック編

照りつける夏の太陽は今も変わらずだが、夜になると少し秋の気配を感じるようになった。

夏フェスはといえば、9月1日と2日に行われたSWEET LOVE SHOWERを持って僕の夏フェスは終わりを迎えた。

さて、今回は夏フェスの熱量はソーシャルメディアでいつまで維持されるのかをデータをもとに考察してみたい。参照元は弊社のクチコミ分析ツール「Boom Research」だ。

フジロックのクチコミの推移を見る

今年はずっと晴天だったフジロックのクチコミを見てみよう。
分析対象期間は以下に設定している。

  • 検索条件:キーワード「 フジロック」又は「#fujirock」
  • 対象期間:2012年7月4日~8月3日
  • 対象媒体:Twitter

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このグラフを見ると検索期間中のツイート数合計は、【272,144件】であった。
開催期間中最もツイート数が多かったのはフジロック初日の【45,623件】

当たり前ではあるが、やはりフジロック開催中が最もクチコミはされている。
また、フジロック前でいえば、タイムテーブルが発表された7月4日にも大きくつぶやかれているのがわかる。

次に期間を短くしてフジロック前後の1週間で見てみよう。
キーワードや対象プラットフォームは同様にTwitterだ。

  • 検索条件:キーワード「 フジロック」又は「#fujirock」
  • 対象期間:2012年7月20日~8月5日
  • 対象媒体:Twitter

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フジロック開催前後1週間のツイート数の合計は【230,864件】でフジロック終了後も
1日平均【7,244件】のツイートがおこなわれている。

ここで興味深いのは、フジロック終了後もかなりの数のクチコミが語られているということだ。
フジロックを始めとした参加後の熱量がソーシャルメディア上(ここでいえばTwitter)で吐露されている。

さて、次はフジロック終了後1週間のクチコミの推移を見てみよう。

  • 検索条件:キーワード「 フジロック」又は「#fujirock」
  • 対象期間:2012年7月30日~8月6日
  • 対象媒体:Twitter

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フジロック終了後1週間のツイート数合計は、【57,952件】であり、8月1日以降も1日平均約【3,000件】のツイートがおこわれている。
ここでもフジロックの熱量は思ったよりもかなり長く維持されることがわかる。

おそらくフジロック終了後1週間は熱量が維持されていることが想定される。また、今回は割愛したがコアファンはTwitter上で#フジの病として多くつぶやかれている。このデータはまた機会があれば紹介したいと思う。

つまり、コアファンは少なくともフジロック終了後一週間以上は熱量をもしくはフジロックに対する思いを発信している。それはつまり、音楽に対する関与度であったり、フジロックに対する熱量が高い状態を意味する。ここにソーシャルメディアをうまく使うと【共鳴】・【共有】・【共感】のサイクルが発生する。【共有】・【共感】・【共鳴】の順番ではないことに注意が必要だ

次に検索期間中のツイート数の合計を記しておこう。

  • 検索条件:キーワード「 フジロック」又は「#fujirock」
  • 対象期間:2012年7月4日~8月24日
  • 対象媒体:Twitter

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検索期間中のツイート数合計は、【297,392件】で、フジロック終了前、終了後の1日の平均ツイート数は【2,000~3,000件】となっている。重要なことは、このようにいかにフジロックを始めとしたフェスの熱量がいつまで維持しているのかを把握することだ。そして、その音楽的関与が高く、音楽へのモチベーションが向上しているときにマーケティング施策を打ち込むことが大切だ。

フェスでの熱量は開催期間前だけでも開催中だけでもない。
フェスは開催後にも大きく影響している。ある一定の期間内で。この「ある一定の期間」がわかることが、フェス前・中・後のソーシャルメディアを活用したコミュニケーション設計に活きてくる

最後にフジロック終了後に絞って期間を8月24日まで伸ばしたグラフを見てみよう。

  • 検索条件:キーワード「フジロック」又は「#fujirock」
  • 対象期間:2012年7月30日~8月24日
  • 対象媒体:Twitter

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フジロック終了後26日間のツイート数合計は、【83,200件】であり、終了後2週間経った8月13日週も、1日平均【700件】のツイートがわかった。

フジロック終了直後は熱量が高いのでかなりの数のクチコミが見受けられるが、興味深いのはフジロック終了から26日経ったあとでも1日平均700件のクチコミがされていることだ。

これはいかにコアファンにとってフェスが夏だけのものではなく、長く語られているものとして存在しているかを示している。もちろん、このグラフでもあるとおりコミケ文脈で語られたり、BSスカパー!で放映されたりといった事象もたぶんに影響しているが、フェス後も重要なポイントして来年以降意識して施策を実行していく必要があるだろう。その事例として実施されたのがオーディオテクニカの【Social Board】だろう。

フェスの目指すべきは1年間つながりを継続する仕組みと仕掛けを作ることだ。
ライトファンはフェス終了後直後に熱量は減少する。しかし、この熱量を維持して発信するユーザを増やしていくことが重要だ。そこにソーシャルメディアを組み込んでいく。音楽の関与度を底上げしていく

そのためにはこのようにユーザの熱量やクチコミを可視化して分析することで見えてくることも多いはずだ。「Boom Research」はこれ以上に様々なマーケティングデータを取ることができる。

さて、次回はサマソニを取り上げてみようと思う。

最後に今回の調査はブームリサーチのTwitter分析で8分の1検索で出た数値を8倍して数値を算出しているため、あくまでも参考数値(傾向)として見て頂ければと思います。

僕の次のフェスはエレクトラグライドになろうかと思います!v( ̄Д ̄)v イエイ


※ソーシャルメディアと音楽ビジネスの書籍を出版します。
いい加減発表できると思います。。


こちらの記事はTMHブログポータルの方にも転載いただいております。このブログは個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。